第一話「雨の日に出かけた三人の男の話」
ある雨の日、三人の男が外に出かけました。
一人は傘を、一人は杖を持って、もう一人は何も持たずに出かけました。
三人が家に戻った時、傘を持っていたはずの男は雨で濡れていました。
杖を持っていたはずの男は泥に足をとられ怪我をしていました。
一方、何も持たずに出かけた男には何も起こりませんでした。
雨の日の三人の行動と結果から、どんなことが言えるでしょうか?
傘を持って出かけた男は、自分は傘を持っているから平気だと思い込み、雨のことをあまり気にかけていませんでした。
杖を持って出かけた男は自分は杖を持っているから安心だと思い込み、泥のぬかるみの上を走ったところ転んで怪我をしてしまいました。
もしも、雨や泥のぬかるみをきちんと気にかけていれば、物を持って出かけた二人にも何も起こらなかったのです。
教訓:わたしたちは、都合が悪いことが原因ではなく、都合良く考えたことが原因で何かを失うことがあるのです。
第二話「小さな村での話」
ある小さな村で、商人がガソリンスタンドを経営し、とても繁盛していました。 別の商人がやって来てカフェを開きました。そしてまた別の商人が商店を開き、村の景気は良くなってゆきました。
別の村でも、商人がガソリンスタンドを経営し、とても繁盛していました。
それを見て別の商人もガソリンスタンドを開きにやって来ました。そしてその様子を見ていた別の商人もガソリンスタンドを開き、ついには商人同士がライバル関係となり、最終的に村のすべての事業が失敗してしまいました。
教訓:他人のアイディアにただ続いているだけでは、あなた自身の生き方というものを見失ってしまいます。
第三話「ある一家の三人の息子たちの話」
あるところに、毎晩喧嘩をしている夫婦がいました。妻の体はいたるところ黒いアザだらけでした。
三人の息子たちはその様子を見ながらそれぞれに成長しました。
一人めの息子は、哀れな母親を不憫に思い、結婚後は決して妻を殴ったりせず心から愛しました。
二人めの息子は、結婚は無意味だと考え、生涯独身のままでいました。
三人めの息子は、夫はいかなる時も妻を殴る権利があるものだと考えるようになりました。
教訓:たとえ同じ環境で育ったとしても、ものごとの捉え方や考え方一つで生き方は大きく変わります。
第四話「二つの馬車を引く二頭の馬の話」
あるところに二つの馬車を引く二頭の馬がいました。
前方の馬車を引く馬はとても速くよく走りました。一方、後方の馬車を引く馬はのんびりと歩きました。
そこで主人は、荷物のせいだと思い、後方の荷物をすべて前方に移しました。
後方の馬はそれを見て笑いました。
「ははは、そんなに頑張って自分の首を絞めるようなもんだ!」
しばらくして主人は、前方の馬一頭だけで荷物を運べることに気づきました。後方の馬はもう要らなくなった主人は、その馬の首を落として食べてしまいました。
経済学者は、この状況をよく例えにして「怠け馬の話」と言います。
教訓:その人の存在価値がなくなってしまった時、なにかのきっかけで追い出されてしまうまで時間はもうほとんど残されていません。
✏️Author unknown
Translated into Japanese by yuko(གཡུ་སྦྲང་།)
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