རིག་ལྡན་རྒྱ་མཚོ།(རིག་རྒྱམ།) 著
ན་བུན།&yuko(གཡུ་སྦྲང་།) 日本語訳
ある早朝、ひよこ達みんなが目覚めた時、巣の中からオンドリがいなくなっていました。
どうやら昨晩、大事なお客さんがこの家族を訪れ、夜中のうちにオンドリは調理されてしまったようでした。
ひよこ達は、夜が明ける時、どのように朝を告げる鳴き声を出せばよいか知りませんでした。そこで問題を解決するために話し合いをしました。
Chenzaのひよこが見下すように言いました。
「わたしの鳴き声は誰よりも高い声だ。だから、わたしが鳴こう。」
Trigkaのひよこはそれを嫌がり、鼻高々とこう言いました。
「Chenzaのひよこの声は高いが、しわがれ声で完壁ではない。わたしの声は誰よりも美しい。だからわたしが鳴こう。」
Rabcongのひよこはどちらにも反対し、首を振りながら言いました。
「ひよこ達みんな、君の声は完壁じゃないと知っている。わたしの声はもっと明るくて繊細だ。きっと人間たちはみんな、わたしの声を気に入るだろう。だからわたしが鳴こう。」
Bazongのひよこは、羽をバタバタし、頭を高くしてこう言いました。
「おいおい君たち3人とも不合理な主張をするんじゃない。朝を告げる鳴き声は平均的であるべきだ。わたしの声は誰よりも平均的だ。だからわたしが鳴こう。」
Tsikogのひよこが突然怒り出し、うろうろと歩き回りながら言いました。
「わたしはもっとも年配のひよこである。だから声もにわとりの声だ。わたしが鳴こう。」
Machuのひよこは、みんなの様子を眺めながら、うぬぼれた様子で言いました。
「朝を告げる鳴き声は、美しさや重々しさや平均的である必要などなく、意義のある言葉をのせるべきなのだ。君たちは鳴くことはできるが、それはただ鳴いているだけで特に意味はない。だからわたしが鳴こう。」
Chabchaのひよこが、出し抜けにやじを飛ばして言いました。
「これまで生きてきた中で、朝を告げる鳴き声が、意義のある言葉をのせる必要があるだなんて聞いたことがない!確かに鳴き声だけでは不十分で、もちろんリズム感も必要だろう。みんなの間で、わたしがリズム感のある鳴き声をしているということは、誰もが知っている。わたしが鳴こう。」
Nagapaのひよこが勇ましく羽をはためかせて言いました。
「朝を告げる鳴き声を出すには、夜明けの時刻を調べるに充分な経験が必要と言える。わたしは経験豊富だ。わたしが鳴こう。」
さて、ひよこ達は結局、お互いに決して賛成せず、ひたすら長い間口論し続けていました。
次第に夜は明けはじめ、牧草地の動物たちにとって仕事を始めるには少し遅い時間になっていました。
その時一頭のロバが、これ以上空腹に耐えきれずこう言いました。
「君たちは、誰の鳴き声が完壁かをただお互いに口論しているだけじゃないか。だったら、わたしが夜明けの時間を決めよう。」
そしてロバは大きな声でむせび鳴きました。
その声で目覚めた女主人はあくびをしながらこう言いました。
「あ〜あ、夜明けをロバが告げるだなんてなんて不吉なことかしら。」
※ ひよこの前に付けられたChenza,Trigka,Rabcong,Bazong,Tsikog,Machu,Chabcha,Nagapaはすべて青海省にある地名を指しています。
【Author's profile】
Tibetan novelist Rigden Gyatso (penname
called Riggyam) was born in Amdo Chantse township Malo county, Qinghai province
in 1970. He graduated from Qinghai University. His novel (ancient town) was
selected into Tibetan writer’s books publishing and was printed by Qinghai Nationality Publishing House and second novel (relief mandala) was published by Lhasa Nationality
publishing house. His book in Chinese (Rigden Gyatso’s selected stories).
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🔈ロバの鳴き声はどんな声?
Have you ever heard voice of donkey?
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